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SCJ Conference 2018 開催レポート~C会場~「スポーツ指導だからできる、メシが食える大人の育て方」



「一人前の大人になるための力はスポーツが全部身につけさせてくれる」と熱意のこもった声で高濱氏は話します。20年以上教育の現場で数々の生徒を育ててきたご経験から、教育におけるスポーツの重要性について具体事例を交えながらお話し頂きました。


プロフィール

高濱 正伸氏(花まる学習会代表/NPO法人子育て応援隊むぎぐみ理事長)

1993年に「作文」「読書」「思考力」「野外体験」を重視した、小学校低学年向けの学習教室「花まる学習会」を設立。1995年には、小学校4年生から中学3年生を対象とした進学塾「スクールFC」を設立。父母向けに行なっている講演会は毎回、キャンセル待ちが出るほどの盛況ぶり。 障がい児の学習指導や青年期の引きこもりの相談も一貫として受け続け、現在は独立した専門のNPO法人「子育て応援隊むぎぐみ」として運営している。



―― 頭の良さは「見える力」と「詰める力」によって構成される


これは結構煎じ詰めたことで、20年経っても全然衰えない理論です。もともと数学の研究でこれに近いことがあったらしく、「これ一人で全部気づいたの?」って言われるくらい驚かれました。頭の良さその1は、簡単に言うと、本質やアイデア・相手の言いたいこと・問題点といった見えないものの見え具合です。ここで差がついています。世の中で尊敬される人の着眼点というものはやはり理にかなっているものです。


頭の良さその2、詰める力です。一番みなさんが知っているのは論理力ですね。論理は実は二つのフローチャートを繰り返しているだけです。答えを出すために必要条件を狭めていく、そして、狭めきれなかったら場合分けをする。


トップの入試問題はこの必要条件が浮かぶか浮かばないかで差がつくように設定されている。詰め切った経験の繰り返しで詰める力は伸びていきます。


真剣に何か打ち込んでいるという時に一番脳は伸びます。勉強というのは人間やっぱり心のどこかではやりたくないと思っていますから、実はスポーツが良い。試合寸前の練習など、どんどん集中していって真剣に打ち込みますよね。




―― スポーツは一生涯の役に立つ。運動をするという「習慣」を得ること


言いたいのは、大会に向けてゴールを設定すること自体は悪くないけれど、高校の野球部が甲子園に向けて朝から晩まで練習していて、夏の大会が終わった途端に運動をすっかりやめてしまう、「なんのために野球をやったの?」という風に問いたくなってしまいます。


スポーツの目的は、プロ選手になるのは一握りですから、それを除いた九割九分の子達はスポーツを通して、一生涯の役に立つからスポーツをやっているはずで、その一番の目的はスポーツと上手に付き合うことだと考えます。


運動・睡眠・食事というのは健康には欠かせないすごく大切なものです。40人の生徒を預かっていたら、「こいつらが40歳になってもちゃんと毎日運動ができる」という風に考えて指導することが本来一番の目的だと思うのです。これが今一番スポーツをやっている人たちに伝えたいことです。


子供達の生涯に確実に役に立つのは「習慣」ですから。今までの日本は、大会がゴールでした。男子なんか特に頑張りますから勝敗にこだわるのも良い事ですが、それ以上に、後々運動を続ける事が一番重要だということを、コーチとして常に言い続けて欲しいと思います。


講演を終えて


本分科会は定員をオーバーする大勢の方々に参加頂き、非常に熱気の溢れたセッションとなりました。スポーツは「頑張る精神」や「友情」だけでなく、大人として自立するために必要な全ての力を子供に与えてくれると高濱先生は仰います。スポーツを指導する際に点数や勝敗を求めてしまうことも時にあると思いますが、このスポーツの教育における価値の高さに目を向けて子供たちを育てていくことが最も大切だと感じました。



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